ご挨拶

 桜の季節は始まりの季節ですね。満開の桜がたくさんの人々の門出を応援しているかのようでした。一方で年明け早々の能登半島地震、近々では台湾地震、沖縄など南の島々が津波の危険にさらされました。その後も青森、宮崎などさまざまな地域で地震が起きています。大きな被害は報道されていなくても、どの地域の方も不安な思いは同じだと思います。そして、遠く世界のさまざまな地域では今日も命の危険にさらされている人々がたくさんおられます。
 今、私たちにできることは何なのでしょうか?
  4 年前の 2020 年 3 月、支部大会は京都文教短期大学で開催される予定でした。2 月の新型コロナウイルスの流行を受けて、同大会は直前で対面開催を中止せざるを得ませんでした。しかし、その後もコロナ禍がなかなか終息せず、活動の制限は長く続きましたが、その間も、近畿支部では立ち止まることなく、2021 年、2022 年、2023 年はリモートで 3 回の講習会、学術大会を実施してきました。 この 3 回の大会に関わってくださった方々の努力と工夫に感謝すると共に、新しいことや慣れないことにも柔軟に対応し、進む道を切り拓いていこうとする会員のみなさまの前向きな姿勢に感動します。
 そして、今年 2024 年 3 月、第 22 回近畿学術大会を対面で行うことができました。講習会はオンデマンドで行い、学術大会は対面で行うという、それぞれの良さを活かした支部大会となりました。
 久しぶりに対面で実施することを決めた後も、コロナは完全には終息せず、一抹の不安をかかえつつ、会食をしない交流会も、実行委員の方々が様々な工夫を凝らして、楽しいものにしてくださいま した。
 久しぶりの学術大会の企画・運営には、毎年続けていた時とは異なるご苦労があったことと思います。鈴木大会長、岩井実行委員長、岸田事務局長をはじめ、実行委員の方々に感謝申し上げます。アットホームな良い雰囲気で、参加者のみなさんも、実行委員も笑顔で、楽しそうに作業をしておられたことが印象的でした。
 そんな雰囲気の中、ご来場くださった浮島とも子衆議院議員や藤本禮子日本音楽療法学会理事長も長時間談笑し、楽器販売のコーナーでは、たくさんの楽器と共に、近畿支部の雰囲気にも触れていただいていたと思います。
 日本だけでなく、世界中で起きている災害や紛争に、自分の無力さを思わない日々はないのですが、まずは今、目の前のことに挫けず取り組む、そして、その取り組みを誰もが楽しめ、人の輪を作る場となる事を目指したいと考えます。
  「人を称え合い、人と支え合い、人から学び合える場を作ること」近畿支部では、音楽療法を志すみなさんが、漸進できるような組織と活動を考えていきたいと思っています。
 そして、みなさんと一緒に、みなさん一人ひとりの力が、世界中の全ての人の幸せにつながることを目指したいと思います。